2006年 05月 26日
坪庭と路地 |
先日たまたま本屋にて、写真家である水野克比古さんの「京都の町家の坪庭」という写真集を買いました。別にこの写真家を知っていた訳でもなく、本当に衝動買いでした。印刷技術も素晴らしく、まるで印画紙のように印刷しています。この本に掲載されている坪庭は格式高いものが多いですが、どこか共鳴できるような日本人としての美意識があります。自分の環境をあらためて見てみると、新しい住宅地などはそっけない家が建ち並び、緑が会ってもガーデニングという行為で出来た緑だったりしています。決して否定している訳ではありませんが、日本人の感覚としてズレを感じてしまいます。
日本人は本来、自然と共鳴できる感覚を身につけています。俳句や和歌には自然から感じる四季の情景や心情を映し出しています。この坪庭の写真集を見ていると、そんな日本人の感覚を集約させているような緊張感があり、それでいて居心地の良さを感じてしまいます。坪庭は普段ではなかなか見れない場所なんですが、都心でそのような感覚になる場所があります。それは路地です。緊張感はありませんが日本人として居心地の良さを感じます。打ち合わせの帰りに、いつものコースから少しそれて路地裏散策していると、そんな日本人の感覚を大事にしたいと思いました。
by kxblog
| 2006-05-26 18:51
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